脚本家やシナリオライターは、一般的なサラリーマンなどに比べると収入が不安定です。
そんな中、脚本家やシナリオライターが複数の職業、副業などをすることは許容されているのでしょうか。
基本的には副業をできる
脚本家やシナリオライターといえども、副業、つまり脚本作家を含めた複数の仕事を兼任することは可能です。
実質的な面からいうと、多くの脚本家はフリーランスで働いているので、副業の制限がありません。
脚本家を雇っている会社に就職している場合はこの限りではありませんが、サラリーマンのように主業をおろそかにせぬようにという制限がないのです。
別の視点からみると、脚本家が番組に出演したり本を出版したりするのは、当人が脚本家であるという点からすると副業です。
また講演や養成所の講師なども、実際に脚本を執筆して作品を作る脚本業ではないので副業といえます。
さらに別の観点からすると、そもそも当人は脚本家を主業としておらず出版などの方を主業だと感じていたなら、脚本家自体が副業なのです。
もちろん有名な映画監督や脚本家などは作品の宣伝をかねて番組に出演することがあり、これは宣伝であることを公認されているため許容されています。
信用が大切
脚本家は継続的な仕事をせねばなりませんが、そのリズムは一般的なものとは異なります。
ドラマやアニメであればクールといわれるおよそ四半期(3ヵ月)ほどの仕事を受けていくことになりますが、この作品が終わってしまえば次に繋がるかは不明なのです。
そこで大事なのが他の仕事と同様に、「信用」なのです。
この人はしっかり仕事をしてくれる、この人は締め切りを守れる、この人はこの仕事を主業としている、という信用です。
こうした信用から継続的な仕事を請け負うことができる点が強いので、その点では複数の仕事を請け負うのには難点があります。
副業をしていると主業がおろそかになる、そうすると締め切りを守れないかもしれない、クオリティが満足のいくものでなくなるかもしれない、と思われる可能性があるのです。
もちろん実力の世界なので、複数の仕事ををしながらでも実績を重ねれば良いことではあります。
しかし世間的には副業をするくらいなら主業をがんばればいい、という風潮は根強いので、強い動機などがなければ納得させるのも容易ではないでしょう。
もし脚本家としての収入が少ないからと、脚本とはまったく無関係の副業を始めて、それが知られてしまえば、脚本家としての仕事を放棄しつつあると判断されてもやむをえません。
まとめ
○脚本家の仕事上、副業が制限されているわけではない。
○他の仕事と同様、信頼が大事な仕事である。
○クライアントを納得させられるなら問題はない。
脚本家やシナリオライターは、一般からすると少し特殊な形態の仕事になります。
それぞれに事情はあるものですが、物事は慎重に進めるようにしましょう。