脚本家の仕事として、原作者がもともと書いた小説やマンガなどを脚本に起こす、というものもあります。
映画などの脚本として重要なのは、「映画の上映時間の『尺』に合わせるように脚本を書く」ということです。
『尺』とは、カットやシーンなどの時間の長さのこと。
90分の映画なら、原作を90分の尺に合うように、脚本家が書き直さなくてはいけないのです。
脚本家と原作者の立場の違いとは?
脚本家が一からストーリーを作る場合は別として、脚本家は原作者が作ったストーリーを、上手く映画の上映時間に合うように直さなくてはなりません。
どのシーンを取捨選択して時間配分するか、それが大事な仕事だと言ってもいいでしょう。
予算の都合でできないシーンもありますし、出演する俳優はあらかじめ事務所から決められていることもあるので、イメージに合わせて改変しなくてはいけないこともあるのです。
原作者の立場としては、内容に口を出せることもありますが、実は原作を提供しただけで特に影響力はない、なんていうこともあるようです。
映画製作で強い力を持っているのは、プロデューサーや俳優事務所やスポンサーなどで、実は原作者にはあまり権限がないことも多いようです。
脚本家と原作者のギャラに違いはある?
ギャラについても、脚本家は決められたギャラをもらい、場合によっては関連書籍などの二次収入が入ることもあります。
原作者は最初の段階で「原作使用料」というものをもらえますが、例え映画が大ヒットして興行収入が莫大でも、特に追加の売り上げがもらえるなどは、あまりないようです。
実際にあった例では、とあるマンガが映画化して何億円ものヒットになりましたが、原作者に入ってきたのは最初にもらった200万ほどだけだったとか。
テレビドラマでもだいたい同額ぐらいのようです。
もちろん映画化が嫌なら原作者は断れますが、映画がヒットしたとしても、映画について影響力や利益があるのは、あくまで映画の制作会社などの制作側のようです。
また映画では、脚本家が原作を作ることもありますし、映画監督が自ら脚本を書くこともあります。
まとめ
○ 原作を映画用に書き直すのが脚本家の仕事。通常のギャラの他に二次収入があることも
○ 原作者の立場は強くなく、もらうのは原作使用料のみで、その後の収入などはなし
○ 映画の収入は主に、映画の制作会社などの制作側に入る
原作者の作品がもともとあることで、映画が作りやすくなったり、知名度があることでヒットしやすくなりますが、あくまで「原作を貸している」立場で、映画そのものにはそれほど影響力はありません。
映画についての影響力はあくまで、「制作現場にある」ようです。
映画を作る時は、原作者よりも脚本家の方針が優先されるのが普通です。