脚本家になる方法には種類がいくつかあり、賞や養成所など様々存在します。
その中に、弟子入りというものは存在するのでしょうか。
師弟のシステムは生きている
弟子入り、つまり師弟のシステムは、有名なところでは相撲の角界や落語をはじめとしたお笑い業界などで未だ行われています。
この師弟のシステムの大きなメリットは、後継の教育と仕事の斡旋が同時に行えるということです。
そういった意味では、厳密には師弟とはいいませんが、養成所などはそれに比類したシステムだといえるでしょう。
お笑い業界でも養成所がありますが、先生と生徒という間柄で講義を行うために、師弟関係にも一種似た上下関係が生まれます。
しかし角界やお笑い業界のように、経歴が長い方を敬う文化というものはそれほど強くありませんし、何より良作を生み出すなどの実績がものをいう世界です。
また相撲やお笑いはその個々人が活躍すること自体が仕事ですが、脚本家は活躍することが仕事なのではなく、あくまで裏方としてスケジュール内に業務を完了させることが大事です。
また特にテレビで仕事をする脚本家などの仕事は、常にテレビ局と共に行われるので、同じ脚本家同士の繋がりよりも、局の人物と脚本家との繋がりが大きくなりがちです。
ですので後継を育成しなければ業界の存続自体が危ぶまれる角界やお笑い業界とは異なり、テレビ局自ら人材の獲得に乗り出している脚本家は、自ら後継を育てる必要に欠けるところがあるのです。
個人に弟子入りすることは基本的にない
そういった理由から、脚本家個人が弟子を取るということは基本的にないといって差し支えないでしょう。
また脚本家自身が他人に仕事を斡旋するということ自体が珍しく、また賞という明確な入り口があるので、そういったシステムが生かされにくいのです。
たとえば芸人の方にとっての賞というものは、それがデビューのきっかけになるものではなく、能力を有していることの証明として、知名度を上げ次の仕事にいかすことのできるものであるわけです。
しかし脚本家・作家にとっての賞は基本的にそれがデビューのきっかけになるものです。
そうした明確な登竜門が存在しているので、師弟システムが活用されにくいのかもしれません。
まとめ
○弟子入りに比類したものとして、養成所の存在が挙げられる。
○しかし脚本家が自ら後継を育てることは多くない。
○登竜門としての賞の存在が大きい。
脚本家とは種類が別ですが、テレビプロデューサーのテリー伊藤は弟子をもっていた、という話もあります。
業界への入り方というのには様々ありますので、色々と試してみるのも良いかもしれません。