脚本家を目指す人たちの中には、これから大学を目指す中でどういった学部に入るのがいいか迷っている方もいることでしょう。
大学の学部などではどういったところが向いているのでしょうか。
文学部や演劇部
脚本と密接な繋がりがあるのは、文学や演劇です。
脚本はそもそも演劇についてその演出をまとめられたものなどですし、シェイクスピアの作品なども小説ではなくもともとは戯曲です。
文学部や文芸部であれば、日頃から主要な文学作品に触れる機会が多く、歴史的な作品の意義や作者の心情などを洞察するのに役立つはずです。
演劇部では演じる側の出演者とコミュニケーションを長く時間を取ることができるので、出演者側から見た脚本のあり方というものも学ぶことができるでしょう。
また文学や演劇などの隔たりなく、古い作品を知るというのは技術を学ぶ上でも非常に重要なものです。
新しい技術を習得するには古い技術を踏まえていないと難しいということが往々にしてあります。
もちろん文学部では小説が主題であったり、演劇部では脚本は学生以外の担当者がいることなどもありますが、自主的な学部でしたら自分で脚本を選んだり舞台監督などを行えるところもあるでしょう。
他にも映像関係やマスコミ学なども良い対象となるでしょう。
どの学部でもいい
極論をいってしまえば、どの学部でも構いません。
というのも脚本は様々な経験をしている方が執筆できる事柄が多くなり有利なので、わざわざ文学部や演劇部を選ぶ必要はありません。
それでもそういった学部を選ぶ理由があるとすれば、それは様式を早くから学ぶことができる点です。
脚本というのは書式がわかりづらく、賞などに応募してもその書式が理解できていないと落とされてしまうことすらあります。
そういった意味では、もちろん書式などの様式を学ぶのはとても大事なことです。
しかしなまじ脚本と密接なことばかりを学び続けたために、世間知らずになってしまって執筆する脚本の内容が世間とちぐはぐになってしまっては本末転倒です。
芸人の世界でも「非常識をするには常識を知らなくてはいけない」といった言葉があります。
ですので至って普通の大学生の生活というものを謳歌することに、なんら問題はありません。
脚本家にとっては人生すべてが脚本の材料です。
ラジオ番組の出演者などでも日頃の苦痛や嫌なことですら話の題材にする人がいますし、「大ケガや事件になるような事柄以外であれば大抵はネタになる」という人もいます。
まとめ
○文学部は世界的・歴史的な作品の理解に役立つ。
○演劇部では演じる側などの貴重な視点で見ることができる。
○長期的なスパンでは、どういった学部でも無駄であることは少ない。
大学の選択において、学部をどこにするかというのは脚本家を目指す上で非常に重い問題です。
若い人たちは気ばかりが急いてしまう時期があるとは思いますが、落ち着いて長いスパンで物事を見て脚本家を志すのが良いでしょう。