すぐれた脚本家には、その人なりの哲学があります。
哲学や美学があるからこそ、オリジナリティのある脚本が書けて、より面白い作品ができるのではないでしょうか。
では、脚本家に必要な哲学とはいったい何でしょうか?
脚本家にとっての大事な哲学とは
どんな脚本家にも、自分だけの哲学やポリシーや理念などがあります。
脚本家の哲学とは、脚本家自身の人生観のようなものなのかもしれません。
脚本家自身が持っている信念や世界観などの思想が、登場人物がイキイキと活躍する脚本の思想の元になっているのかもしれません。
人によって、セリフ回しや会話のセンスを大事にしていたり、視聴者を飽きさせないハラハラドキドキ感を大切にしていたり、脚本家によってこだわりはそれぞれに違います。
自分の作品の中で、どの部分にこだわるかによって、その人の作家性や個性が出ると言えるかもしれませんね。
脚本家には3つの哲学がある
シナリオスクールとして有名な、シナリオ・センターの創設者・新井一氏は「三大深切」というモットーを大切にしていたそうです。
「三大深切」とは、歌舞伎の世界での言葉で、狂言作家の河竹黙阿弥氏が言った、舞台の脚本を書くことについての心がけを表したものです。
その内容とは、1・お客様に深切、2・役者に深切、3・座元(劇場主)に深切、の3点です。
お客様や視聴者に面白いと思ってもらい、満足してもらうことは、脚本家にとってもっとも重要で、大事なことです。
役者にとってやりがいと見せ場があり、演じ甲斐のあるような脚本にすることも、脚本を書く上で抜けてしまいがちですが大切なことです。
劇場主、つまりスポンサーや制作会社にとって、喜ぶような脚本や、流行や人気を取り上げて売り上げを考えた脚本を書くのも、もちろん仕事として大事な要素です。
これらの三方向の人々に対して、満足してもらえるような脚本がいい脚本である、と言えます。
まとめ
○ 脚本家に哲学や美学があるからこそ、オリジナリティのある脚本が書ける
○ 脚本家によって、セリフ回しやストーリー展開など哲学はさまざま
○ 脚本は、お客様に深切、役者に深切、座元(劇場主)に深切の「三大深切」が大事
脚本家自身が持っている信念や世界観などの哲学が、登場人物がイキイキと活躍する源になります。
自分だけのこだわりや美学を持って脚本を書くのも、オリジナリティを表現するために大事なことですね。