脚本家になるためのトレーニングは、どういったことをすればいいのか分かりにくいものです。
現実的なトレーニングには、一体どんなものがあるのでしょうか。
何事も脚本にいかすことを心掛ける
日常を活用すべし
脚本に限らないことですが、自分がしている仕事、また目指している仕事にいかせるよう日常的に心掛けることはとても大事です。
究極的には、この観点が欠けていれば創作者としての成長率が0になるわけです。
脚本家は常に新しい視点を探すことが不可欠ですので、日頃から多角的に物事を見なければいけません。
また脚本家は様々なシーンを書く必要があるので、経験が多いことはとても大きな利点です。
人生経験が豊富なほど現実的には書くことができるシーンが増えるといっても過言ではありません。
メモを取ろう
またそういった実生活で得た情景・心情・出来事などは、こまめにメモにとっておくことをオススメします。
というのも何気なく暮らしているだけだとそういったものはすぐ忘れがちで、新人が新しい仕事場に来たときのようなもので、メモを取らないと現実的でなく非常に心許ないものなのです。
またメモを取っても見直すことがない、どこに書いたか忘れるから無意味だ、という人もいますが、メモをまとめるノートを作ったりEvernoteやOneNoteなどのメモアプリケーションを利用したりすることで参照しやすくなりますし、またそうしたメモを後々スランプのときに見るだけでアイディアが湧き上がることもあります。
引き出し
よく芸人の方は「引き出し」という言葉を用います。
これは経験したりしたことを番組のコンテンツとして利用できるようにいつでも開けるように、いつでも参照できるようにするということであり、またとっさのときに話すことができるコンテンツだということです。
脚本家でもそうした「引き出し」があるはずですが、この引き出しを開ける動作を常日頃から反復していなければ、いざというときに軋んで開かない、ということになってしまえば無意味です。
たとえ有用な経験・情報でも、活用できないなら現実的でなく死んだ情報に過ぎないのです。
技術を摂取する
技術には、新しいものと古いものがあります。
古いものはDVDやビデオなどが残っていれば、参照することは容易く、また習得も難しいことではありません。
しかし新しい技術は、新作など常に新しいものを追い求めていないと摂取することができません。
新しい技術を得ることを怠ると、古い技術で似たような作品を続けている内に、視聴者などの鑑賞者のみならず、同業者や雇用者から飽きられてしまいます。
たとえばアニメではミサイルなどを描く際に「板野サーカス」という通称の技法が用いられることがあります。
これは板野一郎というアニメーターが使い始めて以降、使用されることになった技法ですが、こうしたものを流用したとしても「ああ、あの技法の使い回しだな」と思われることが多いのです。
また特徴的な技法というものは、おおむねオリジナルに適いません。
ここで大事なのは流用することではなく、「超える」ことが大事なのです。
過去の技術ばかりを使っていては、脚本家自身だけでなく業界自体が前に進むことができなくなります。
また自分のオリジナルの技法が認められれば、これは仕事を続ける上でも非常な利点となります。
まとめ
○日常的なことをメモに取る。
○日頃から「引き出し」を活用する。
○自分のオリジナルの技法を生み出す。
脚本家は演出を行うために、技術ばかりが注目されがちです。
しかし技術はただ真似るばかりのものではなく、自ら生み出すものであるということを忘れないようにしたいものですね。